風呂の排水溝のつまりが起きる原因と、重曹を使った直し方
カテゴリー:お風呂・浴室の水漏れについて
目次
排水溝のつまりにお悩みの主婦が増えています。排水溝のつまりの原因は髪の毛やホコリが排水溝の中で溜まってしまうことが第一の原因です。
また、石鹸カスや細菌の繁殖によってでき上がった「ヘドロ」によるパイプの閉塞なども原因として考えられます。
ここでは、その原因とナチュラルクリーニングの分野で有名な「重曹」を使ったつまりの解消法についてまとめました。
重曹って何?
重曹は「炭酸水素ナトリウム」と呼ばれる粉末です。海外では「ベーキングソーダ」などと呼ばれています。
弱アルカリ性の性質を持ち、人体には無害の成分です。食品添加物としても用いられており「ふくらし粉」や「灰汁抜き・漬物の色だし」などに使われています。
この重曹は人体に無害というところから、小さな子供がいる家庭で「万能の掃除洗剤」として用いられることが増えてきました。
「鍋の焦げを取る」「クレンザー代わりに使える」「じゅうたんのホコリや汚れを取ってくれる」というようにさまざまな場面で使えると話題となりました。
ナチュラルクリーニングが好きな方なら多くの方が重曹を用いたホームクリ―ニングを行っています。
クエン酸って何?
クエン酸は、かんきつ類に含まれる有機化合物です。ミカンやレモンの「酸っぱい」感覚はこのクエン酸によるものです。
食品添加物としても使われており。酸味を出すために用いられます。 酸性を示す粉末で、潮解性(水や湿気に溶けやすい性質)があります。クエン酸も重曹同様ナチュラルクリーニングに用いられます。
風呂場の水アカ・カルシウム汚れでできたうろこ汚れを溶かし出す効果の他。トイレの臭いを中和する、黄ばみを除去する効果があります。 小さじ1杯程度のクエン酸で大きな効果が得られるのも良いところといえるでしょう。
重曹やクエン酸はどこで購入できる?
スーパーやドラッグストアで購入することができます。100円ショップでも購入可能です。
ドラッグストアでは「日本薬局方」の炭酸水素ナトリウムやクエン酸を入手することができます。 いわゆる「医薬品」扱いの商品となりますので、口に入れても安心です。
スーパーマーケットでは、漬物コーナーで重曹を購入することができます。また、製菓コーナーでクエン酸を取り扱っています。
掃除用品コーナーでも重曹やクエン酸が陳列されていますが、こちらは、掃除用として精度を下げて生成している商品となります。
小さな子供やペットがいるご家庭であれば、「食品添加物」と記載された重曹やクエン酸を購入されることをおすすめします。 購入時には品質表示を事前に確認して「掃除用か食品用か」を確認しましょう。
なぜ重曹+クエン酸(お酢)が風呂の排水溝のつまり解消に良いのか
ここで、中学校で習った化学式の勉強を思い出しましょう。
重曹 NaHCO3 クエン酸 C6H8O7 この二つを「重曹3:クエン酸1」の割合で化学反応させると、Na3C6H5O7(クエン酸ナトリウム)と3CO2(二酸化炭素)、3H2O(水)が発生します。
一番注目すべきは、二酸化炭素の発生です。この二つの物質が反応する時に起こる反応熱と二酸化炭素による熱吸収が同時に起こり、発泡します。 シュワシュワとした泡が汚れを剥がして浮かし、緩くする作用が生まれます。これによってつまりを解消できるとされています。
ただし、重曹とクエン酸の反応は中和反応ですので、汚れ自体を溶かすことはできません。つまりの原因となる髪の毛やホコリ、ヘドロ汚れの根本的解決に至らない場合もあります。
つまりの予防・臭いの除去というようにデイリーメンテナンスの一環として重曹とクエン酸を用いましょう。 念入りに排水溝のつまりを除去したいという時には、塩素系の洗剤を用いて髪の毛のつまりを溶かすお手入れを行うことをおすすめします。
重曹+クエン酸(お酢)の使い方
重曹とクエン酸は正しい比率で使うことが大切です。
先ほどの化学式で確認した通り、クエン酸1:重曹3の割合で混ぜましょう。粉末同士を混ぜても反応は起こりません。
これを風呂の排水溝やキッチンシンクの排水溝にまんべんなく振りかけます。 その後、200cc程度の水をゆっくり、振りかけた粉に当てるように注ぎます。 水にぬれた瞬間から発泡が始まります。
30分ほど放置した後にシャワーなどを用いて勢いよく水を注ぎ、緩んだヘドロ汚れを落としましょう。
ニオイや汚れが強い時は毎日続けることをおすすめします。 また、つまりによる水の逆流等が発生した場合には、重曹とクエン酸は使わずに、塩素系の洗剤を用いて汚れ自体を溶かすようにします。
クエン酸の代わりに酢で代用する場合
酢(酢酸)もクエン酸と同様の効果を得ることができます。食酢をクエン酸の代用品として使うことが可能です。
酢を代用する際には、先に重曹を排水溝に振りかけて置き、水の代わりに酢を回しかけるように注ぎます。この際、重曹を流してしまわないよう50ccくらいずつゆっくり注いでいくことをおすすめします。
後は、30分ほど時間をおいてクエン酸の時のすすぎ洗いと同様、シャワーを使って洗い流します。 ただし、食酢は特有のにおいがありますので、酢の臭いが残ってしまうこともあるので、酢の臭いが苦手な方は注意が必要です。
台所の排水溝のつまり対策について
はじめに、台所の排水溝のつまりの原因を探ってみましょう。
台所のつまりの原因として考えられるのが「油汚れ」です。 油は温度が低くなると固まる性質があります。特に動物性脂肪だと、常温程度で白く凝固してしまいます。バターやラードなどを想像するとイメージしやすいはずです。
これに雑菌が繁殖することや石鹸カス汚れなどが相まって、排水管に付着します。 風呂場の排水管と比べて、台所の排水管は細いため油汚れの付着は即つまりにつながります。
実はこの油汚れによる固着は、中和反応を引き起こす重曹とクエン酸の組み合わせでは落とすことが難しいと言えます。
これを踏まえて、台所の排水溝のつまり対策を行う場合、「お湯を使うこと」がポイントとなります。お湯を使って洗い流すことで、油汚れが固まって付着する前に、排水管から流れ出してしまいます。
40度ほどのぬるま湯でも効果があるので、洗いものの際に実行しましょう。 お湯を使って油汚れを緩ませた後にクエン酸と重曹の反応を起こすと、スッキリと詰まりを流すことができるでしょう。
根本的に詰まりを起こさないために実践したいこと
油を排水管に流さないことは基本です。ラーメンの残り汁や食べ残し等も排水管に入らないよう排水溝の入り口にゴミ受けバスケットをセットし、水きりタイプのゴミネットをつけて細かい汚れも排水管へ流さないようにしましょう。
排水溝は毎日掃除を心がけ、排水トラップを外しこまめに洗うことも一案です。重曹を単体で使うことで、排水溝にこびりついた汚れをこすり落とすことができます。 仕上げにクエン酸を水にとかしたものをスプレーして中和させると汚れがスッキリします。
夜、就寝前のひと手間として、60度程度のお湯を1~2リットル程排水溝に注ぎ入れ、油を溶かして流し出すことも一案です。
まとめ
重曹とクエン酸の合わせ技は、風呂場や台所の排水溝の掃除に役に立つことが分かりました。混ぜ合わせる比率を正しく用いることで、発泡パワーで汚れを浮き上がらせる力が得られます。 ドラッグストアやスーパーマーケットで気軽に購入できるので、ナチュラルクリーニング入門編として重曹とクエン酸を使った排水溝掃除にチャレンジしてみましょう。
