マンションなどでトイレの配管が詰まりやすい原因は節水にあった?
カテゴリー:トイレの水漏れについて
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節水は、環境のためにもお財布のためにもとても大事なこと。しかし、気をつけないと逆にトラブルの元になったり、裏目に出てかえって水道代や修理費がかかってしまったりなんてこともあります。
今回取り上げるのは、トイレにおける節水とその配管の詰まりです。 トイレが詰まるというと、何か物を落としたのかな?などは真っ先に思いがちです(もちろん、実際想像もしなかったものを落として詰まることも多々あります)が、実は節水が原因でトイレが詰まることもあるのです。
節水をするとトイレの配管が詰まる?
最近流行りの「節水トイレ」。よく耳にするのは、ペットボトルをタンクの中に入れるという方法だと思いますが、それ以外にも最近は節水方法も進化をしています。
旧来型のトイレだと水を流す際に、1回につきおよそ大で10リットル、小で5リットルの水を消費します。
しかし、節水器を取り付けたり、「節水トイレ」として販売されているトイレを設置したりする場合は、その半分の量の水しか使いません。
というわけで、大変節水に貢献もするのですが、同時に弱点もあります。
まずは水が少ないと、一度に大量に物を流す際に水の力が足りなくなるため、詰まりやすくなります。 ちょっとレアな事例ですが、トイレットペーパーをシングルからダブルに変えたことで、水詰まりするようになったということもあるそうです。
そして、マンションなどの集合住宅の場合には、さらにもう1つの事情が排水管です。
マンションでは、設置時に置かれたトイレで流すことを想定しており、排水管もその想定で配置されていて、最終的な下水道へと流れる角度や向きで調整がされています。
節水して流す場合、トイレから排水管までは少量の水ですんでも、排水管の中を流れていく際に当初想定よりも水量や勢いが足りなくなり、全体の排水管が詰まることもあります。 (特に、築年数が長くなるにつれて、経年による排水管の変化もあり、より詰まりやすくなるという意見もあります)。
節水以外でトイレの配管が詰まる理由
その他、節水以外でもトイレの配管が詰まることもあり、その理由は様々です。
トイレに何かを落としてしまった
昨今はトイレという空間がオシャレになる反面、芳香剤やトイレ用洗剤などは見た目もおしゃれになりました。もちろん、トイレをエンジョイする上ではいいものですが、特に取り換え時のフタなどは落としてしまわないようご注意ください。
その他、トイレを使って取り換えなどを行う、おむつやナプキンといった品も落としがちなものの候補にあがっています。トイレは狭い空間なので、あれこれ大変だとは思いますが、一旦置けるものは床や棚に置く(例えばパッケージから取り出すときなど、本体ではなくその切った封なども落としてしまいがちです)といった安定も心がけましょう。
使い捨てのトイレ清掃グッズ
お掃除シートや使い捨てのブラシといった清掃グッズは、基本そのままトイレに流してもよいものが多いです。 ただし、一気に大掃除をした時などに、他のものとまとめて流すなどすると、水詰まりを生じさせます。
薬
人によってはトイレで何らかの薬を使うこともあります。 細かいものですと、人間ドック時などでトイレにおいてチェックをするために行う検査キットの類などもあります。
トイレでの使用を想定して水で流せるものも多いですが、例えば自動的に水が流れるトイレでの使用を想定しておらず、逆に水を止めなくてはならないこともありますので、その場合はオンオフの切り替えなど、設定を変えたことを忘れないようにしましょう。
ペット関連
もともとのトイレは人間を想定してつくられているので、ペットの便などを流す際にも注意が必要となります。まず多くのペットを飼われていて、一度にまとめて処分される場合にはご注意ください。 また、猫砂などの、ペット用のトイレ関連の物の中には、普通のトイレで流してもよいことを謳っているものもありますが、そう書かれているといって無闇に大量に流すのはやめましょう。
排水管の内部に異物が付着している
もちろん経年による汚れの付着もありますが、それ以外に付着しやすいものもあります。 例えば、カップ麺などの食べ残し、吐しゃ物など、トイレで流すといった人も多いです。
しかし、これらのものの中には、本来流すものとは異なり粘着性が高いものがあり、それらは排水管の内部に付着したまま残り、詰まりやすくなります。
トイレの配管詰まりを防ぐ方法
まずは、詰まったものが多めのトイレットペーパーや本来は水で流すことのできる清掃グッズなどであった場合からお話しします。
まず水が少なくて流れなくなったということであれば、その反対に水を大量に流すことで解消できるケースが多いです。
その場合は何度もレバーをひねるのではなく、別途バケツなどに水をためて用意すれば、状況に合わせて注いでいくことができます。ただし、多く入れ過ぎてあふれてしまわないよう、気を付けましょう。
また、トイレの材質などにもよりますが、ややぬるめのお湯のほうが、ペーパーなどは溶けやすくなりますその際、あまりに熱いお湯にしてしまうと、トイレが変形する可能性があります。
そして、物理的に詰まったものを取り除けそうであれば、取りましょう。 衛生面に配慮してゴム手袋(できれば肘の位置までの長さのあるビニール手袋が理想です)をはめて直接取る方法もありますが、昔ながらのラバーカップ(棒の先に吸盤がついたもの。「すっぽん」などとも呼ばれています)も効果的です。 こちらはスーパーやホームセンターなどで数百~千円程度で売られています。
また排水管に異物が付着している場合、軽めのものであればドラッグストアなどで売られているパイプクリーナーなどで除去したり、排水管用のワイヤーでたわしのようにこすって異物を掻き出したりする方法もあります。
ただ、激しく詰まっている場合は、管ごと取り換えを行うか、あるいは高圧洗浄などを行って、付着物を取り除く必要があります。 家庭用の高圧洗浄機などもホームセンターで売られていることもありますが、専門業者を呼んだほうが問題は少ないです。
その排水管が、マンションなどでの共用部の場合は、大家さんや管理会社・管理組合などにまずは連絡した上で、そちら経由で専門業者を呼ぶのがよいでしょう。
そして応急措置以外に、日々の対応としての注意事項をお教えします。 節水とは裏返しになりますが、日々の清潔で使う水の量を戻すことで、配管が詰まらないようになることも多いです。 女性の場合で、小用を足したあとでも大のレバーで流すことで、ペーパーの詰まりが無くなったというケースもあります。
また、トイレが詰まる際には水位が変わる、水を流した後に音がなるようになったなど、何らかの予兆があることも多いです。 「あれ?」と思ったら放置したままにはせず、使用時に気を配り、不測の事態に備えておくようにしましょう。
まとめ
このように節水時の注意事項と、トイレが詰まりやすくなる原因、その対処法について簡単にまとめさせて頂きました。
特にマンションの場合、最終的に水を流す排水管は共用スペース。 自分の部屋のトイレの節水が、全体の水詰まりに影響を及ぼすなんてことは、思いつきもしないかもしれませんが、このような可能性もあるということは、もしもの時のために気に留めておいたほうがよいでしょう。
過度の節水をするのではなく、適度な節水で、気持ちよくトイレを使えるようにしたいですね!